古いもの、昔のもの

今から4年ほど前、福富町に移住してそんなに経っていない頃、
高校時代の友人から「古いカメラがあるけどいる?壊れて使えんけど」
と言われ、当時から昔のものに興味があった僕はすぐに友人のところまで引き取りに行きました。
受け取った時は確かにいろんな箇所が壊れており、
試しにフィルムを買って撮ってみましたがやはりダメで、
とはいえダメでもともとだったため、家のインテリアとして飾っていました。
で、そのまま現在に至るんですが、
いつものようにお店を営業していると、お客様の一人に似たようなカメラを首から下げてらっしゃる方が来店されました。
すぐに家にあったカメラを思い出し、
「僕も似たようなやつ持ってるんですよ。壊れてますけど笑」
というと、
「それもしよかったら、修理させてくれませんか?僕、カメラを直すのが趣味なんです」
いつか修理して使ってみたいと思っていた僕にとって、そんなベストマッチな方が現れるものなのかと思いました。
その日すぐにカメラを持ち帰ってもらい、次の週には直して持ってきていただきました。
そのお客様のおかげで、インテリアになっていた(本来の機能を失っていた)カメラが、息を吹き返しました。
「フィルムを買うときもね、ネットでは買わずにカメラ屋さんの隅っこに追いやられてるフィルムを救ってあげる気持ちで買ってるんですよ」
とおっしゃっていたので、そのお客様の精神に習い、出かけついでにカメラのサ◯ダでフィルムを購入。
さらに妻にレザーストラップも作ってもらい、いかにも小洒落た装いに。
子供達と遊びに出かけるときには必ず持ち歩くようにしています。
最近の携帯電話では一眼にも劣らないような高機能なカメラがついたものもあったり、
本当に便利な時代だなあと日々思います。
そんな便利な商品が次々と開発される中、やはり廃れていくもの、忘れられていくものも比例するように増えていっているように思います。
その当時には誰もが必要としていたものが必要でなくなっていくのは、どこか寂しい気持ちになります。
しかし近年、若い人たちがあえてカセットテープで音楽を聞いたり、レコード盤を発売するアーティストが出てきたりと、
逆に新しいというムーブメントも起こり始めています。
いつの時代を切り取っても、きっとこんなサイクルは起こっているんでしょうけど。
知った風に言ってますが、もちろん僕の身の回りが昔のものだらけなわけではありません。
実際このブログの更新にだってパソコンを使っていますし。
ただ僕は昔の製品の、ちょっとした不便さを理解した上でそれを楽しめる人間でありたいなあと思います。
今僕は、カメラのフィルムを使い切って、どんな写真が撮れてるのか確認できる日をとっても楽しみにしています。